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津和野の少女
 島根の津和野にはゆったりとした時間が流れていた。あれはたしか夏だった。
 
 森鴎外の旧宅まで歩いて訪ねた帰り、川沿いを辿ってみた。もしかしたら少年鴎外が藩校の養老館まで毎日通った道はこっちかもしれないなどと思いながら。
 
 まさか白鷺だろうか。都会では見ることのない鳥が一羽優雅に羽を休めていた。JR新山口駅発のSLだろう。幾重にも連なった山々に汽笛をこだまさせながら、津和野川をなぞるように追いかけて来る。また汽笛を鳴らす。あいさつされているようで立ち止まって軽く手を振った。
 
 武家屋敷が並ぶ殿町通りに戻るには、この辺で橋を渡り、小学校の脇を通り抜けてあの千本稲荷の太鼓谷稲荷神社の下を歩いた方がよさそうだ。昼間の明るい日差しの中とはいえ、そこだけ鬱蒼と暗かった。
 
 小学校のグランドから野球少年たちの掛け声がする。
 その声を背に木々の陰となった暗い道に差し掛かった時、反対側からゆっくりと自転車が走って来た。小学校4年生ぐらいの少女だった。
津和野の少女 その少女は私を見ると向こうから声をかけてくれた。「こんにちは」。にこやかに楽しそうに。
 
 見ず知らずの人には近寄るなと子供たちに警告される昨今。
 少女の屈託のなさと明るい声に救われる思いがした。暗い場所に陽が射すようだった。      
 少女にとっては自分の町。見知らぬ人も自分の町を訪ねて来たお客さんに見えるのだろう。「こんにちは」の笑顔には「ようこそ」も含まれていたかもしれない。
 
 私も「こんにちは」と返した。「ありがとう」の気持ちを込めて。
posted by: masumi | | 00:06 | comments(0) | trackbacks(0) |
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